表層を診る擦診法

2025.12.02

鍼灸学科

鍼灸学科長の竹村千冬です。
今回はコツさえつかめば学生でも生きたツボ(効くツボ)を見つけられる「擦診(さっしん)」というお話です。
皮膚をつまんでみて、違和感のある所を探す診察方法です。

↓こんな風に
表面を診察する方法なので、治療として加える刺激も表層刺激に適したものを選びます。

例えば台座灸とか↓
カッピング(吸角)とか↓
オープンキャンパスや学生の臨床実習などで効果の出やすい方法として練習したりします。

台座灸の効果は、
温める→タンパク質の粘性低下→可動域が拡大しツッパリ感がなくなる。

カッピングの効果は、
吸引刺激で→血管や組織間が拡張し→血行促進→痛み物質の除去と組織温上昇→無痛可動域の拡大。

といったところでしょうか。

東洋医学の道具を使っていますが、効果の説明は現代医学でも筋が通るのです。

ちなみに東洋医学で説明すると。
台座灸は
表層が温まり→経脈の流れが促進され→動きが良くなる。
逆に流れが悪いというのは凍った川のように固く動かないという事になる。

カッピング(吸角)は
吸引刺激によって→局所に滞った血すなわち瘀血(おけつ)を取り除く→経脈の滞りがなくなる→動く
といった具合になります。

お灸にせよカッピングにせよ効かせるためには、それに見合った異常のある場所を見極めることが大切なのです。
雑誌などに健康に効くツボなどとありますが、結局のところそれを探せるのは専門家のスキルが必要になるので、雑誌やネットの情報通りにやったけど効果がないという場合は、そもそも正確にできていないだけなのかもしれません。

以上、表層の診察で効くツボを見つけるお話でした。